競技種目

技術発表会

気象条件により競技が実施できない場合または、競技を終えられなかった場合については、プレゼンテーションの評価で順位を決定します。
詳しくは技術発表会開催要領をご覧ください。

各種目共通の注意事項

  • 用意した複数の回収装置(パラシュート、ストリーマ)、CanSatの車輪などから、当日の条件をみて最適なものを選んでよい。その場合、各パターンで機体審査をうけ、設計条件や安全基準を満たすこと。
  • 安全のため、降下速度は5m/s以下であること。当日にパラシュートに穴をあけたり、穴を大きくする場合も、降下速度が5m/s以下の範囲で認める。
    • ロケット部門の高度競技においては、当日の上空の風速によっては、安全を確保することを前提に降下速度の条件を緩和することがあるので、複数の回収装置を準備することが望ましい。
  • 無人航空機の規制について
    • すべての競技において、ペイロードの動力飛行は禁止する。
    • 滑空機であっても、航空法に従い「無人航空機」として登録されリモートID機能を搭載した機体、または重量100g未満の「模型航空機」に分類される機体のみ、飛行中の遠隔操縦または自動操縦を認める。

ロケット部門共通事項

注意事項

  • 使用するロケットエンジンについては、各種目の機体条件を参照すること。なお、国内在庫等の状況により使用するロケットエンジンが変更となる可能性もあるので留意すること。
  • モデルロケットライセンスは、チーム全員でなくとも、発射操作を行う人が保有していればよい。
  • 競技用の機体に加え予備の機体を1機製作すること。

競技内容

  • モデルロケットを打ち上げる際には、発射台の状態、保安区域内立ち入り者の有無、低空の飛行物の有無を指呼して危険のないことを確認して点火すること。また、又点火操作を行う者は、周囲の者が確実にわかるように大声でカウントダウンして発射すること。これらを守らず打上げた場合は失格とする。
  • ロケット機体からパラシュートまたはストリーマが展開出来ない場合、もしくは落下途中に分離した場合は失格とする。

機体条件

  • エンジンを含めた機体の総飛行重量は使用するエンジンのメーカであるESTES社が定めている最大打上重量Maximum Liftoff Weight を超えてはならない。
  • 安全のため、機体及びパラシュートやストリーマは地上から認識ができるようにできるだけ目立つ色を塗ること。機体審査において目立つ色の塗装を施すように求められた場合、その指示に従わないときは競技に参加することができない。
  • パラシュートを電気信号で展開する場合、安全のため、より信頼性の高いバックファイヤでも開くようにしておくこと。つまり、1つのパラシュートを電気とバックファイヤの2通りで開けるようにするか、別々のパラシュートを設けることになる。

種目① ロケット部門滞空・定点回収

発射点から打ち上げ、できるだけ長く空中に滞在し、かつ射点にいかに近く着陸できるかを競う。

競技内容

  • 時間計測は、ロケットが動いた瞬間から地面に着地した瞬間まで。距離計測は、打ち上げ地点から着陸地点までの直線距離を計測する。
  • 滞空時間と距離をポイントに換算して合計点で評価する。配点は事前に公開する。
  • マルチステージやクラスターロケットについては、最も上段(最後にエンジンに点火する機体)を計測の対象とする。
  • 射点から半径50m以内の陸地で回収できなければ失格とする。

機体条件

  • 事務局が公表するA型からC型までのロケットエンジンを組み合わせ黒色火薬20g以下であればどんな組み合わせでもよい
  • エンジンは本会が準備するものを使用する。
  • 2段式ロケットにおいては、2段式ロケットの2つのエンジンを含む機体の総飛行重量が、1段目のエンジンの最大打上重量Maximum Liftoff Weight を越えてはならない。また、2段目のロケットについてもエンジンを含む2段目の機体の総飛行重量が、2段目のエンジンの最大打上重量Maximum Liftoff Weight を越えてはならない。

種目② ロケット部門ペイロード有翼滞空

ペイロードに翼をつけ、バックファイヤーによる放出から着地までの滞空時間の長さを競う。

競技内容

  • 射点から半径250m以内の陸地で回収できなければ失格とする。ロケットおよびペイロードは海に浮くこと。
  • 高度は20m以上、上昇すること。(高度は、目印を決め監視員が目視にて確認する。)

機体条件

  • エンジンはC5-3, C6-3, C11-3の何れか1本を使用する。
  • エンジンは本会が支給する。
  • ペイロード個数は1個(重量は50g以上)とする。
  • ペイロードの翼がすべて畳んだ状態で無ければ機体の打上げは認めない。
  • ペイロードの翼を展開する場合、バックファイヤを用いた機構とすること。
  • ペイロードにつける翼の形は自由。(固定翼のグライダーでも、回転翼のオートローテーションでもよい。)
  • パラシュートやパラフォイルは基本的に用いない。安全のための非常パラシュートの使用を認めるが、その場合、有翼滑空としての成績は非常パラシュート展開までの時間とする。
  • ロケット機体はパラシュートまたはストリーマで安全に着地させること。
  • 「無人航空機」として登録された機体、またはペイロード重量が100g未満の場合は、遠隔操縦や自動操縦を認める。動力飛行は認めない。
  • 参加申し込み締め切り日(11月8日)までに試射の様子を撮影した動画を審査員が確認する。また機体審査(3月6日)の際に、設計計画書提出時の機体形状から変更が認められる場合、変更後の試射の様子を撮影した動画を審査員が確認する。飛行の安全性が確認できない場合、当日の打上げを行わない。

種目③ ロケット部門高度

本会が支給する高度測定装置を搭載し、できるだけ高く飛ぶことを競う。

競技内容

  • 射点から半径250m以内の陸地で回収できなければ失格とする。ロケットは海に浮くこと。
  • 高度600m以上へは到達しないものとする。

機体条件

  • 機体は単段式とし、直径 30mm以上が連続して 200mm 以上の長さであること。かつ、ほぼ全体が目立つ色あること。
  • エンジンは、C5-3を使用する。
  • エンジンは本会が支給する。
  • 搭載する高度測定装置は、重量9.9g。最高到達高度を記録する。(形状・仕様はHPに掲載)
  • 本会が支給する高度測定装置は、Jolly Logic 社のセンサー Altimeter One またはTwo (寸法49mm x 18mm x 14.5mm 質量9.9g)か同等品(大きさ、重量は同じ)である。
  • 紛失対策として、大会側で用意する電波式のビーコン搭載を義務づける。形状・仕様はHPに掲載。
  • 風が強いため、紛失しないための更なる対策を推奨する。
  • 参加申し込み締め切り日(11月8日)までに試射の様子を撮影した動画を審査員が確認する。また機体審査(3月6日)の際に、設計計画書提出時の機体形状から変更が認められる場合、変更後の試射の様子を撮影した動画を審査員が確認する。飛行の安全性が確認できない場合、当日の打上げを行わない。

種目④ ロケット部門インテリジェントロケット

本会が支給する高度測定装置を搭載し機体を打ち上げて地上に戻るまでの過程で何らかのミッションを実現する。そのミッションの技術的なチャレンジ内容、高度な技術、達成度などを競う。

競技内容

  • 機体は、高度30m以上に達すること。機体の最高到達高度は、本会が支給する高度測定装置で判定する。
  • 機体が上空で分離する場合でもその分離は高度30m以上に達した後でなければならない。そうでない場合は、失格となる。また、上空で分離したものは安全に地上に回収されるものでなければならない。
  • 射点から250m以内の陸地で回収できなければ失格とする。

機体条件

  • エンジンは、C5-3, C11-3いずれかを競技者が選択し使用する。
  • エンジンは本会が支給する。
  • 本会が支給する高度測定装置は、Jolly Logic 社のセンサー Altimeter One またはTwo (寸法49mm x 18mm x 14.5mm 質量9.9g)か同等品(大きさ、重量は同じ)である。
  • 「無人航空機」として登録された機体、または100g未満の機体(ここでの機体は、打ち上げる機体全体を意味する。もし、上空で分離する場合は、その分離された機体を意味する)に限り、遠隔操縦や自動操縦を認める。動力飛行は認めない。
  • あらかじめ定められた飛行領域(緯度、経度、高度のデータは予め大会から供給される)を逸脱してはならない。この飛行領域を逸脱した場合は、失格とするとともに、その瞬間に機体のあらゆる動作を中止して地上に安全に戻すものとする。(機体の動作を途中で中断して地上に安全に戻す手段を有していることは設計計画書に明確に記入するものとする。例えば、地上からの指令によりパラシュートを開傘して地上に戻るなどを想定している。)

この競技は導入から新しいので、以下に例を示すがこれに制限されるものではなく自由な発想に基づく提案を歓迎する。

  • 機体にテレビカメラを備えていて上昇中の様子を地上に中継する、あるいは地上に戻った時点でその動画を再生できる。※1
  • 機体に、加速度計、高度計等を備えていて、上昇中地上に送信する、あるいは地上に戻った時点でそのデータを取り出して解析する。※1
  • 機体は上昇した後、機体本体あるいは機体から分離したものが帰還時に制御して滑走路(あるいは滑走路に見立てた場所)に着陸する。(ペイロード有翼滞空と似ているがこの競技では滞空時間を競うものではなく、帰還の制御の確実さ、正確さなどを競う)※1
  • 上昇した機体が何らかの方法で垂直に着地する。※1
  • フライトシミュレーションとその検証打上げ実験を本大会で実施し、得られたデータとシミュレーションとの比較検討と考察を行う。※2
    1. 1. 但し、データ等の報告は飛行後2時間以内
    2. 2. 但し、データ等の報告は飛行後4時間以内

具体的な内容

  1. 打上げ実験前に、選択したエンジンを組み込んだモデルロケットの飛しょうシミュレーションを行い、主な弾道パラメータに関して予測を立てておく(最高高度、速度vs時間の関係、高度vs時間の関係、弾道側視図 等)。
  2. 飛しょうデータの取得Ⅰ(質点並進運動):加速度(3軸)、高度
  3. 飛しょうデータの取得Ⅱ(剛体3次元5自由度(ロール方向無視)):角加速度
  4. 飛しょう実験で得られた各センサからのデータに基づき、最高高度,速度vs時間の関係,高度vs時間の関係等の弾道パラメータを求めて予測値と比較、必要に応じて分析する。評価ポイントとしては以下の点などが挙げられる。事前予測状況、打上げ実験でのデータ取得状況、打上げ実験データの分析状況など。

備考:この最後の例は、飛翔体の打上げ実験で通常行われていることですが、学生の方に体験してもらい、モデルロケットの飛しょう実験についても飛しょう現象についてより定量的な理解を深めてもらえることを期待している。

CanSat部門共通事項

競技内容

  • 大型クレーン車を用いて、高度30m前後から遠隔操作で投下し、その後、各種目のミッションを行う。
  • ミッションは投下から20分を限度とする。
  • 風速8m/s以上のときは投下を行わない。
  • 場外(道路等)に落下するなど、競技者の責任でなく、遂行不能と審査員が判断した場合は再投下を認める。
  • 上昇から投下までの時間が一定ではないので、タイマーによる搭載機器の起動は避けることが望ましい。放出機構に格納されている時点で搭載機器が起動してしまい投下できなかった場合は、その時点で競技は終了とし、回収して再投下は行わない。

機体条件

  • 機体とパラシュート合わせて、直径146mm、高さ300mmの円筒に収まるサイズで、質量1050g以内。
  • パラシュート、パラフォイルなどに相当する減速機構は必ず搭載する。(自由落下は避ける)
  • 「無人航空機」として登録された機体、または減速機構を含め重量100g未満の機体のみ、飛行中の遠隔操作や自動操縦を認める。
  • 機体の色には青、水色など視認し難い色は用いない。
  • 火薬・燃料などの危険物、人体や環境に有害な物質を搭載しない。
  • 小型の物体を放出(散布)しない。

CanSat競技の計測と評価の細則

詳しくはこちらをご覧ください。

種目⑤ CanSat部門自律制御カムバック

投下後に飛行または走行して、あらかじめ指定した目標地点の近くに到着できるかを競う。

競技内容

  • 機体は自律制御に限る。
  • 地上局からのアップリンクを行わない。
    • 双方向通信でない補助信号の送出は事前相談のうえ認めることがある。(DGPSやRTK-GPSの補正信号等)
    • 複数機を同時に放出、または途中で分離する場合、機体間通信は認める。
  • 目的地到達のための制御を行えたか、制御履歴の確認を行う。
    • 偶然に目標地点の近くに落下して好成績となるのを防ぐため、CanSat放出後から、動作を停止するまでの制御履歴の有無の確認を行う。制御履歴に矛盾がなく、目標地点に向けて制御しているという履歴の確認ができた場合のみ順位をつける。
    • 履歴の確認は専門のスタッフが行う。機体回収後50分以内にデータをUSBメモリで提出し、履歴を示しながら、制御ができているかの説明を行う。
  • 機体とゴールまでの距離と、所要時間をポイントに換算して合計点で評価する。配点は事前に公表する。
  • 機体が長かったり、引きずっているものがある場合、最後尾で計測する。
  • 複数機を用いる場合、最も近い機体で計測する。

機体条件

  • 目標地点にはカラーコーンを用意しているが、画像や超音波で検知したい等、特別の要求がある場合は、参加者側で用意した独自ターゲット物体を、一時的に設置することを事前相談のうえ認めることがある。ただし、その独自ターゲットは大会側が用意するカラーコーンと同等あるいはそれ以下のサイズであり、電波や音波等などすべての信号を出してはならない。
  • 制御履歴の確認のため、制御量(位置情報等)の計測値と、操作量(モータへの命令値)の時系列データを機体の搭載メモリに保存するか、地上局へダウンリンクして記録するよう設計しておくこと。
  • 【カラーコーンの寸法】高さ:70cm 幅:37.5cm

種目⑥ CanSat部門遠隔制御カムバック

投下後に飛行または走行して、あらかじめ指定した目標地点の近くに到着できるかを競う。

競技内容

  • 機体は遠隔制御を認める。
    • ラジオコントロール装置を用いた手動操縦
    • 地上局から制御コマンドのアップリンク
    • インターネットを介した遠隔地からの制御
    • など

  • 遠隔側は自律/自動制御でもよい。
  • 機体側の自律/自動制御と、遠隔制御のハイブリッドでもよい。
  • 機体とゴールまでの距離が同じ場合、制御の難度を審査員が総合的に判断して順位を決定する。
  • 機体が長かったり、引きずっているものがある場合、最後尾で計測する。
  • 複数機を用いる場合、最も近い機体で計測する。
  • 制御履歴の確認は必須ではないが、あれば望ましい。

機体条件

  • 目標地点にはカラーコーンを用意しているが、画像や超音波で検知したい等、特別の要求がある場合は、参加者側で用意した独自ターゲット物体を、一時的に設置することを事前相談のうえ認めることがある。ただし、その独自ターゲットは大会側が用意するカラーコーンと同等あるいはそれ以下のサイズであり、電波や音波等などすべての信号を出してはならない。
  • 【カラーコーンの寸法】高さ:70cm 幅:37.5cm

種目⑦ CanSat部門オリジナルミッション

CanSatを用いた独自のミッションを設定し、遂行する。

競技内容

  • 審査員が下記を評価する
    • ミッション内容
    • 機体の完成度
    • 競技会でのミッションの達成度

機体条件

  • 競技場内に独自の地上物の設置を、事前相談のうえ認めることがある。

表彰

部門 種目番号 競技名 該当者
ロケット部門 1 滞空・定点回収 優勝、準優勝、3位
2 ペイロード有翼滞空 優勝、準優勝、3位
3 高度 優勝、準優勝、3位
4 インテリジェントロケット 優勝、準優勝、3位
CanSat部門 5 自律制御カムバック 優勝、準優勝、3位
6 遠隔制御カムバック 優勝、準優勝、3位
7 オリジナルミッション 優勝、準優勝、3位
ロケコン大賞 各部門で優勝したモデルロケット・CanSatデザインのうち、次回以降の参加者が目指すにふさわしいものに与える。
審査員特別賞(スポンサー企業賞)
  • 各種目の優勝者にトロフィー、賞状、副賞を授与する。準優勝者及び3位入賞者に賞状を授与する。出場者数や競技結果によっては賞の「該当無し」も有る。
  • ロケットコンテスト大賞の受賞者にトロフィー、賞状を授与する。
  • 審査員特別賞(企業賞)の受賞者に賞状、副賞を授与する。

高度計およびビーコン装置の仕様

詳しくはこちらをご覧ください。